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●久留米焼きとりの紹介●

久留米焼きとりの始まりは?


 久留米の焼きとりは、屋台で出されたのが始まりとされています。現在、焼きとり専門店として最古参の屋台は、1963年(昭和38)に開業した屋台です。店主は、久留米焼きとりについてこう話します。
「焼きとりは、うちが開業する前から久留米の屋台で出されていました。それでも、開業した頃、焼きとりを出していた屋台は10軒ほどでしたし、今ほど品数はありませんでした。例えば、ダルム(豚・牛・馬の腸)や豚バラ、鶏の砂ずりなどで、鶏肉は手に入らなかったものです」
 久留米市史によれば、『我が国の経済は昭和30年代後半から40年代にかけて高度成長を維持し続け、本市はやや後れながらも躍進期を迎えた』とあります。その頃、久留米市では、いわゆる「ゴム3社」のブリヂストンタイヤ(株式会社ブリヂストン)や日本ゴム(株式会社アサヒコーポレーション)、月星化成(株式会社ムーンスター)が技術革新によって業績を伸ばし、街は賑わっていました。
 その頃を振り返り、店主はこう話します。
「工場などで働く人々が、屋台の開店前から並んでいたものです。久留米には、昔から肉屋、内臓屋といった専門業者がいましたので、豚や牛、馬の材料を手に入れやすかったように思います。それもあって、焼きとりファンが自ら屋台や店舗を構え、店の数が増えていったのです」
 現在、久留米市には焼きとりを出す店は、約200軒あるといわれています。



久留米焼きとりの特徴は?

 久留米焼きとりの特徴は、その品数の多さです。鶏や豚、牛、馬、魚介類、野菜、巻物などを竹串にさし、炭火でじっくりと焼きあげます。また、内臓ものの品数が多いのも久留米焼きとりの特徴です。
 「現代用語の基礎知識2007」では、久留米焼きとりの特徴をこう紹介しています。
 『店ではまず酢ダレのかかったキャベツが出る。基本は塩焼きで、肉の間に玉ねぎが挟まれている。豚、牛、鶏が混在したスタイルで、創作巻物も豊富。珍しいメニューに「ダルム」(主に豚の小腸)やセンポコ(主に牛の大動脈)など。』
 現在、焼きとり専門店として最古参の屋台を営む店主は、久留米焼きとりの特徴についてこう話します。
 「キャベツと酢ダレは、焼きとりと一緒に食べたらおいしいと開業の頃から聞いていましたので、屋台で出してきました。センポコを久留米で出したのはうちが最初で、お客様に好評でしたので品数に加えた一品です。おいしい焼きとりを食べて帰ってほしいという気持ちで一串一串刺して、焼いています」

久留米の焼きとり店の店主たちは、こうしてお客様が喜ぶ味を追求して一品一品増やし、それが豊富な種類となったのです。

(文・田中敬子)
※(財)久留米観光コンベンション国際交流協会機関誌「ほとめき」66号の「特集焼きとり三昧」で取材した原稿をもとに、再編集をしました。



どうして日本一なの?

 2003年(平成15)6月、久留米市は人口1万人あたりの焼きとり店の数が全国で一番多いまちとして、久留米市ふるさと文化創生市民協会(カルキャッチくるめ)が「焼きとり日本一」を宣言しました。
 同年9月、カルキャッチくるめなどの実行委員会主催で、焼きとり文化を久留米から発信しようと、「久留米焼きとり日本一フェスタ」が開催されました。以来、毎年実施され、2日間で約3万人が来場する久留米の名物イベントになっています。
 2005年(平成17)2月、久留米市は市町村合併により人口30万人となりましたが、「焼きとり日本一」を宣言した街として、今後も「久留米を代表する焼きとりの食文化を育て、全国に発信していきたい」と考えています。

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